社会人になると社内外で多くの人間関係がうまれます。様々なお付き合いの中で、冠婚葬祭への出席も増えることでしょう。
冠婚葬祭は当事者にとってとても大切な催事です。そのような大切な場に呼ばれるのですから、社会人としてマナーを身につけておく必要があります。
冠婚葬祭のなかでも、葬儀は特に参列者側へのマナーが求められます。
ご自身の振る舞いで、悲しみのなかにいるご遺族や周りの方々へ更なる悲しみを与えないように気を付けましょう。
訃報を受け、お通夜や葬儀に弔問することになった時、初めての場合、何を用意していけば良いのかわからないことが多いと思います。
お通夜・葬儀に弔問する際の準備をお話します。
慌てることのないように、社会人になったら心構えとして一式揃えておくことをおすすめします。
【男性の喪服】
【女性の喪服】
冬場はコートなどの防寒着を着用することもあります。
防寒着は、派手なデザインのものや動物素材(毛皮・ファー)のものでなければ、普段着ているもので構いません。斎場に入る前に防寒着やマフラーは脱ぎましょう。
ベルトや靴・バックなどの小物も、蛇革や動物の皮製品は殺生を連想させるものなので避けてください。
数珠は仏教の法具のひとつです。数珠には「人間が持つ108個の煩悩を打ち消す」といわれ、仏様や故人に清らかな心で手を合わせることができ、心と心を通わせることができるとされています。
数珠は何度も買い替えるものではありません。ですので、生涯大切にできるものを選びましょう。
中紐や房は経年劣化することもあるので、保管の場所は高温多湿を避け、久々に装着する時には中紐が切れやすくなっていないか確認しましょう。(中紐・房を交換すれば、永くご愛顧いただけます。)
香典は故人を偲ぶ思いとご遺族へのお礼、葬儀・法事にかかる費用を助け合うためにお供えするお金です。
香典の金額相場や香典袋の選び方・表書きの仕方などくわしいことは「香典について基礎的なマナー」をご覧ください。
袱紗は慶弔行事の金品を包む儀礼用絹布です。熨斗袋の汚れや皺になるのを防ぐ心遣いとして用いられます。
お通夜・葬儀は不祝儀ですので、袱紗の色は紫色・緑色・紺色・藍色・鼠色など青系統の色のものを用意しましょう。
弔問の際に気を付けなければならないマナーです。
危篤や臨終の連絡を受けてすぐに駆け付けるときには、露出の少ない普段着で構いません。
お通夜より前に喪服を着ていくことは、「死を待っていた」と思われてしまいます。お通夜より前に弔問する時には、喪服を着たり、香典を持参しないようにしましょう。
故人との思いが深いと、ご遺族や集まった方々と故人を偲んで話もしたいと思いますが、ご遺族は葬儀などの準備や精神的にも疲弊しているので、長居することは避けましょう。
もし、つもる話があるのでしたら四十九日も過ぎて落ち着いたころに、ご遺族のご都合をうかがって訪問するなど配慮しましょう。
悲しみのなかにいるご遺族や他の参列者のことも考えて、斎場では知り合いと大声で世間話をしたり、談笑をするのはやめましょう。
ご遺族や受付の係の方には小さめで控えめの声で、短めにお悔やみの言葉を伝えます。
など、お辞儀をしてからお悔やみの言葉をのべましょう。
仏式では、「浮かばれない」「迷う」というご冥福を遮るような言葉は避けましょう。
など、お辞儀をしてからお悔やみの言葉をのべましょう。
神式・キリスト教式では、人の死は「神のもとに召される」ことなので、「ご冥福」「ご供養」「成仏」「往生」などの仏教用語は避けましょう。
不幸が重ならないように、重なることを連想させる言葉は避けましょう。
死に直面するような直接的な言葉も避けましょう。
その他に不幸や死を連想させる「別れる」「切れる」「終わる」「消える」などの言葉も忌み言葉になります。
お通夜・葬儀での基礎知識・マナーの一例を紹介しました。
社会人の常識としてお通夜・葬儀でのマナーを身につけ、故人を偲び、ご遺族の悲しみに寄り添える振る舞いを心掛けましょう。