つれづれ寄稿 コラム 株式会社館林博善社

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つれづれ寄稿 コラム 株式会社館林博善社

滅多に雪が降らない地域の人に
雪国育ちからのアドバイス

滅多に雪が降らない地域の人に雪国育ちからのアドバイス

突然ですが、雪国で育って三十●年の筆者が、温暖で滅多に雪が降らない両毛地域に引っ越してきて知った驚きの出来事をしばし聞いてくださ~い。

筆者が生まれ育った地域は冬場の最高気温が零下や1、2℃でした。とはいえ雪国といっても近隣地域に比べたら、降雪量はそれほど多くなく積もっても20㎝ほどでした。
「この辺は雪が少ないから屋根の雪下ろしをしなくていいから楽だよね~」なんて話していたくらいです。
今でも地元人に「雪大丈夫?」と聞くと「全然、雪降らないよ。降っても10㎝くらいだもん。」というくらい雪が少ないと地元人は思っています。
筆者も積雪が少ない地域だと思って育ってきました。両毛地域に来るまでは。

初めて両毛地域で冬を迎えた年の事。
「雪降るらしいよ。明日の朝、大丈夫かな?会社来れる?」
「雪かき買ってこないとヤバいよね。すぐ売り切れちゃうよ。」
と皆が話しているので「やっぱりこっちも雪積もるよね。10㎝くらいかな?」なんて思って聞いていました。夜になると路面に薄っすらと雪が積もってきましたが、地熱ですぐに溶けてしまうくらいのミゾレに近い雪でした。
「気温が高いからこんなもんなんだ」と思いながら帰宅したのでした。

その晩のこと、外からガリガリガリ…と何やら音がするのでカーテンの隙間から覗き見ると、雪かきをする黒い人影が。
しかし、路面には5㎝にも満たない積雪。
「おいおいおい…雪かきが削れちゃうよ。明日の朝には溶けてるから。」と呆れながらも見守る筆者でした(笑)。
案の定、登校・出勤時間帯には跡形もなく雪は消えていました。

でも、積雪があった翌朝は大人も子供も大騒ぎでした。
子供達の登校送迎のための車渋滞!あちらこちらで車のスリップ事故…

筆者が学生の頃は、車の轍でガタガタに凍った道を、ママチャリでかっ飛ばして登校していたのでカルチャーショックでした!

両毛地域に来て数年経ちますが、まともに雪が積もったのを見たことがない!
それどころか、全く降らない!赤城おろしは凄い寒いけど、日中の気温が5℃もある!!春の気温だよ~。

もしやこれが最近ウザがられている「雪国マウント」なのか…
そうだ!だとしても雪国マウントを活かしてアドバイスできることはないだろうか。

スタットレスは必要?

スタットレスは必要?

筆者が思うには基本的に日中しか車に乗らない場合、スタットレスは必要ないです。気温も高く、地熱もあるので薄っすら積もるくらいの雪はすぐに溶けてしまうからです。
でも、これも雪道の運転に慣れている筆者だからかもしれません。

その証拠に全く雪がないのに、雪が溶けた翌日の車事故が多いです。
両毛地域は見通しの良い平地が多いからか、スピードを出している車が多くこれにも驚きです。(高速並みのスピード!)
普段の感覚で運転したら、まず事故ります…

雪がほとんど降らない地域だから当たり前ですが、除雪車が出動することはないです。そもそも除雪車があるかもわかりませんし。塩カルを撒くこともないです。
両毛ジモピーに『塩カル』といったら「塩カルビのこと?」と思われそうですが、『塩カル』は塩化カルシウムのことで融雪剤です。路面の凍結防止のために除雪後に撒く白い粒々したものです。通称『塩カル(えんカル)』。
これを撒かないと、日陰や朝晩は『ブラックアイスバーン』になります。
赤城おろしをなめてはいけない!

雪が降った翌日、車事故の原因の多くが『ブラックアイスバーン』によるものなのです。(※参照:首相官邸)
『ブラックアイスバーン』は一見、濡れているだけのように見える路面が、溶けた雪が深夜や早朝の冷え込みで薄っすら氷が張っているスケートリンク状態のことです。
いつもの調子でブレーキをかけるとスピン&トリプルアクセルが決まってしまいます!!

特に危険な場所は、地熱が伝わらない一時停止の白線や橋の上!
雪が降った翌日の運転は、急ブレーキ、急アクセルは禁物です。

「十分な車間距離をとり徐行からのブレーキ」「徐行からのアクセル踏み込み」が基本になります。
凍った道の運転に慣れていない地域の人は、念のため冬場はスタットレスタイヤに交換した方がよいでしょう。

雪かきは必要?

雪かきは必要?

ニュースで「寒波が来る」「積雪も予想される」となるとホームセンターの雪かきが一気になくなります。
ですが、両毛地域では家庭で雪かきは本当に必要ないです!いるとしたら竹ぼうきか外掃きほうきで十分です。

玄関内に置けば場所をとり邪魔になりますし、ベランダや外置きをした場合、夏場日差し&暑さMAXの両毛地域なので、プラスチック部分が直ぐにダメになってしまいます。
閉まって置く場所がある家なら1本買っておいても良いと思いますが、もし買うならスコップの方が他に使い道があるので良いのではないでしょうか。

気温が零下になる夜やっておくこと

気温が零下になる夜やっておくこと

冬場になると両毛地域に越してきて本当に良かったと思ます。なんといっても早朝6時から家の前と、地域の子供達のために通学路の雪かきをする必要がないからです。
雪が降りやまない時は最悪で、雪かきをして振り返るとまた積もってるよ…の繰り返しで切りがありませんでした。
雪は観光で見るだけで十分ですね。

さて、雪が降らない両毛地域でも、真冬の深夜から早朝の気温が零下になる日があります。
気温が下がる夜にやった方が良い事は、雪国でなくても参考になるのでご紹介します。

  • 【水道管凍結防止】寝る前に水道の水をチョロチョロ出しておく。朝、水が出ないトラブルや水道管破裂を防げます。
  • 【車のワイパーを上げる】朝露が凍結して、フロントガラスとワイパーがくっついてしまうことがあります。そのままワイパーを動かすと、ワイパーが故障してしまいます。また、ワイパーのゴムが傷む原因になります。
  • 【フロントガラスにクロスシートをかける】フロントガラスの凍結防止になります。駐車場が日陰だったり、出勤が深夜・早朝の人におすすめです。

車の事をいくつか紹介したのにも訳があります。
雪がほとんど降らない両毛地域では、出勤前や出先で車に積もった雪を降ろさなくていいからです。このひと手間がないだけでどれだけ快適と思ったことか。

雪国のことですが、車の屋根に積もった雪を降ろさないとどうなるか?
ブレーキを踏むたびに、フロントガラスに雪が滑り落ちてきて、突然視界が塞がれるのです…恐怖ですよね。
それに、走行中に舞い散る雪は後続車の迷惑になります。

車の雪下ろしは降雪している時はまだいい方です。雪が凍っていないので、雪を下ろせばいいからです。
降雪が無い日の雪国の真冬の朝は、氷点下の気温でガラスというガラスが結晶で真っ白になっています。
爪で引っ搔いて取れるような簡単なものではないのです。
雪国では冬場、出発する10分ほど前から車のエンジンをかけて暖機をしてガラスの氷を解凍します。

雪国の車の必需品は「エンジンスターター」と「車用雪下ろし」!!
「エンジンスターター」とは、リモコンで離れた場所の車のエンジンをかけることができる装置のことです。家の中からポチっとリモコンでエンジン起動しておくのが常なのです。

解凍剤スプレー

一応、暖気を忘れた時用に解凍剤スプレーも常備していました。未だに捨てられずにあります(笑)。

まとめ

滅多に雪が降らない地域の人に雪国育ちからのアドバイス まとめ

最後に、雪国育ちはテレビで東京の雪降りの様子を見ながら「雪の時なんか傘はささない。雪は払えば落ちる。」とよく言います。これも両毛地域に来たからこそ分かったことですが、氷点下の雪国の雪と雪質が違うので、東京や両毛地域では雪が降ったら傘をさすのが正解ですね!

雪国育ちが雪国マウント全開で書いてきましたが、お世話になっている両毛地域の皆さんのお役に立てたら幸いです。